家庭用ドライミストと問題点
ドライミストは公共施設やイベント会場に設置されている大型のシステムはもとより、最近では一般家庭用のコンパクトでコストの安いシステムも登場しています。特に簡易ドライミストキットと呼ばれるものはポンプを使用せず、水道の水圧だけで霧を作りだせるシステムで、価格帯も手頃に設定されています。
しかし実際には水道の水圧だけでは細かい霧をノズルから吹き出させるのは難しく、霧の粒が若干大き目になってしまい、髪や肌に触れた時に濡れた感覚がするという問題があるようです。
アメリカのカリフォルニア州にあるテーマパークなどで同様のシステムを体験したことがありますが、カリフォルニアのように空気が乾燥した地域では逆に皮膚に付着した水滴が素早く蒸発するため、気化熱の吸収によってひんやりとした感覚が快適に感じられます。
しかし高温多湿の日本の気候ではこの気化熱の吸収による冷却効率は、乾燥した地域に比べるとそれほど良くないと考えられます。またドライミストはミストチューブが設置された近辺にしか効果が無く、設置範囲が狭いと必然的に冷却効果の期待できる範囲も狭くなります。
さらに女性などお化粧やヘアスタイルを気にする方にとって過剰な霧の噴霧は忌避されることもあり、使用にはまだいくつかの問題点が指摘されるところです。